のらくら備忘録

忘れたくない事と忘れたい事を書く。節約とポケモンが趣味の浪費家。

仕事をサボった話

先日、ツイッターで気になる映画を見かけた。
どうやらユーロスペースでやってる模様だ。
渋谷にあるミニシアターだ。

渋谷ってミニシアターの多い街なんだなと、渋谷から勤務地を異動してから知った。何せ好きな街じゃない故に、苦手意識の方が先行していたけれども、職場では無くなってからの方が良く来ている街だなと思う。映画館のある街、文化のある街。文化にアクセスがしやすい街。

どうしても見たいが、知ったのが遅すぎて平日じゃないと上映期間に間に合わないことが分かった。
いやはや困ったものだと考えていたが、むくむくと「サボれば良いじゃん!」と言う発想が湧いてきた。
サボったら映画が観れる、しかも火曜日はちょっと安い。

そうと決まればサボろう、じゃあどうするのが良いかな、というところを考えながら動き、ズル休みをした。体調不良のフリをしたのだが、体調不良のフリが上手いのは、多分本当に体調不良になりやすいからだなと思う。ごめんね事務所の人たち。無駄に心配をさせてしまうが、まだ「映画を突然観に行きたくなったので休む!!!」という胆力はない。
そしてこれで10月までの有給の残りは3日。

メンタルや体調の関係で会社途中抜けは良くやっていたけれど、こういう形でサボったのは初めてだ。時間がかなりギリギリになってしまったのだが、暑い中を駆け抜けて職場の最寄駅へ。



ユーロスペース道玄坂の上にあるらしい。ハチ公前から109に抜けて、東急Bunkamuraの方から行くルートなら分かるが、しかし、駅に到着したのが開場20分前。汗がダラダラ垂れてくる。

渋谷勤めしていた頃に先輩が前に教えてくれたマークシティの中を通り過ぎると駅まで楽に行けるルートを使おうと思い、頭の中でシュミレーションをする。マークシティまでの行き方はどうすべきか、どう行ったら早いか、人様のブログを読んだりした。マークシティの四階まで上がるって考えたら、やはりマークシティの中を通るのが賢明だなと思った。駅を降りて、エスカレーターを駆使しつつ、階段を駆け上る。
渋谷駅は再開発に失敗したせいで動線が最悪なのだ。
昔の方がずっと使いやすかった。JRに乗りたいならハチ公口が一番わかりやすいと思う。地味に困るのが、銀座線の入り口が遠すぎることだ。ヒカリエには縁が無い生活をしているので、銀座線を使う時は不便でしか無い。東横線も不便だ。私はいつも新宿三丁目を使ってしまう。もうちょっとなんとかしてほしい。

そんなことをぶつくさ思いながらサンドラッグ横のマークシティに上がるエスカレーター前に着いた。なるほど、ここの地下道を使えばサンドラッグ前の横断歩道使わなくて良いのかと勉強になった。渋谷は横断歩道がとにかく長いのも苦手だ。苦手を無くしてみたいと思うが、好きな場所を増やすのが良いのだろうなということを思う。

池袋と新宿は比較的抜け道を知ってるけれど、渋谷は分からない。勉強になった。マークシティに無事到着し、エスカレーターを上る。そしてひたすらまっすぐ歩いて、マークシティを抜けた。ちょうど昨日事件があったのってこの辺だったかなと思いながら歩いていたら、消防車がたくさん止まっていてテープが貼られていてユーロスペースにたどり着けない。交番のお巡りさんに道を聞いて走る。汗だくである。なんとか辿り着いた。渋谷duoの近くだった。
ラブホ街なのだが、ラブホの看板に書いてある文言が面白かった。

チケットを滑り込みで買って、席に着く。急いでる時に現金は助かる。10分前くらいに着いたのでトイレに行く時間もあった。平日なのに結構人がいるんだなということを思った。割と年代も性別も入り乱れていて、雰囲気としては概ね平和だった。服装もみんな自由だった。リモワの途中で抜けてきたりしてるのだろうか。いいなあ。

映画の内容としては、好きな内容だった。平日の晴れた昼間に見るのにぴたりとはまった映画だった。

「遭難者」
自転車乗りの男と、田舎町に住む男の話。人生には遭難することがあるし、私も自転車乗りの男の気持ちはわかるなと思ってしまう。ダメな人間だなと思う。でも思う事を止める事はできない。人生は遭難する。遭難してる。

「女っ気なし」
海辺の田舎町、バカンスにきた女の親子と、そこに住む男の話。
マッチョイズムのない男、親切な男、自分の感情を上手く言葉にできない男。
ある意味夢の様な話なのだよなと思いつつ、こうだったら良いのにと思わずにいられない話だ。優しくてマッチョイズムの無い、だけれど選ばれない人。とにかく人が良いが清潔感に欠け、見た目に無頓着。どこか私の友人達にも似てる所がある。慎ましやかに暮らし、たまに訪れるあれこれに一喜一憂する。人生の悲哀と美しい喜びが詰まっていた。そこかしこで笑いが起きた。
長閑な時間だった。


満ち足りた気持ちで映画館を出て、帰途に着いた。
平日しか間に合わないスーパーに出向いて、野菜を安くゲットした。節約という名のゲームに燃えているので安い食材を買うのが楽しくて仕方がない。自炊即ち節約だ。ほとんど旬のものしか買わない、それが安く済ませる方法だ。

ブロッコリーまた安くならないかなあということを思いながら帰宅した。