のらくら備忘録

忘れたくない事と忘れたい事を書く。節約とポケモンが趣味の浪費家。

ノーランの作品とテネットの話

ノーランの作品とテネットの話。

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のら
2020/10/05 00:36

※TENETのネタバレを多分に含みますのでネタバレには充分お気をつけください※

時間遡行する作品が好きという話は前にも書いたと思う。確かノーランの作品に最初に触れたのはプレステージだかを見た。おもしろー!!!!!って思って見始めたのは何年前だったか。

昔はお金がなくて、映画はレンタルばかりしていた。今はずっと個人的には経済状況も良くなっている。そんな訳で今日はIMAXでTENETを見てきた。寝坊して危うく間に合わないかと思ったけれど、無事に間に合って007ノー・タイム・トゥー・ダイの予告まで見てしまった。楽しみだ。満員の劇場が久々でちょっと緊張した。4月まで延期だとは、中々悲しい。でも人の命を守るためだ。致し方がない。

時間遡行をする作品が好きで、TENETもそういう作品だったと話には聞いていた。考察を(全部では無いが)色々見た結果、多分自分の考えたことはそんなにずれていないことがわかって嬉しかった。彼の作品が好きなので、書きたいことやものを理解できて嬉し買った(わかることが勿論正しいというわけでは無いと思うが、オタク的心理的なものだと思う)。

黒人主人公と、白人主人公がいて、白人の主人公は息子であると仮定している。コンテナの中で「祖父殺し」の話をしていた。あの辺りからキナくささを感じて息子だと仮定して物語を追いかけていた。わざとらしく「俺が主人公」と言わせる所は映画を見ている我々に対してのメッセージだろう。彼はインセプションのエンドロールで物語の結末をきちんと解き明かす位の面白い監督なので、多分そういうことだと思う。監督の癖を知っていると、「これは多分こういうことなんだろうな」というのが分かってとても面白い。難解とは言われつつも、多分ノーラン好きならそれなりに解明できると思った。なぜなら、彼は「親子」をテーマに物語を書くことが好きだからだ。母親が子供を守るだけでは無い、これは子供が親を守る物語でもあるのだ。逆から書かれたことは今までなかった様に思える。生物学上の父親と、育ての父親の話だ。そして彼は、父親のために死ぬ。ノーランの作品に出てくる主人公たちはいつだって不器用だ。そこがまた愛おしいのだ。帰宅してから、バットマンビギンズを久々に見た。これもまた父親と子供の話だ。恐怖や父を克服して、自分の道を歩き出す。バットマン3部作を見るたびに、ヒースレジャーのことを思い出してしまう。彼がいてくれたらなあと悲しくなる。

ノーランの作品で一番好きなのは「インターステラー」なのだが、あれは父親と娘の話だ。タイムトラベルなど好きな要素を多分に含む。あれは本当に良い映画だ。何回見ても泣いてしまう。

TENETは所々、インセプションを思い出す描写があった。多分、船のシーンなどの光の使い方が、インセプションの始まりに似ているのだろう、あれも海だった。そういえばダンケルクも海だった。

テネットは音楽もよかった。これはIMAXで見られてよかったと思う。機会があればもう一回くらい劇場で見たい(流石にIMAXは高いので、通常料金でいいかなとは思っている)。

ノーランの作品は画面の青が美しい。次はガッチリ息子にへばりついて観ようと思う。黄昏に生きる、これは多分あいつの逆輸入なんじゃないか?と思ってニヤニヤしてしまった。冒頭のキエフの劇場破壊は、彼の新しい始まりなのだと思う。黒幕が分かってから見る映画は、二度面白い。

ワーナー系の俳優さんがたくさん出ていたらしい、ハリーポッターロックハート先生と、世界と自分を一緒に滅ぼそうとしていた人間が同じだとはまじで信じられん。役者ってすごいなと思った瞬間だった。