のらくら備忘録

忘れたくない事と忘れたい事を書く。節約とポケモンが趣味の浪費家。

大豆田とわ子と三人の元夫が面白い

様々な要素を孕んだ結果、「面白い」という事になる。以下気がついた面白さを書いていく。

「あれ、ここおかしいぞ?」と思った違和感が伏線として回収された時の快感と、脚本における「結果的に信頼できてしまう(あえてこの言葉を使う)」感じがたまらない。

以下、四話までのネタバレを含んだ感想だ。


・一話だったかと思う。
鹿太郎が「いや、僕らはとわ子ちゃんの結婚歴にバツをつけたんだよ?責任ってもんがあるでしょ」
と、言った時に私は「ん?」と思ったのだ。

結果的に離婚になってしまったが、とわ子は「バツ」3である事を恥じてはいない。彼女は「網戸を直してくれる人」が欲しいと思っている。だけど、とわ子にとっての彼らはみんな等しく過去だ。過去だけど、一緒に生きている。そういう人達だ。あの時とわ子は「心配御無用案ずるなかれ」と言っていた。
鹿太郎は「バツ」をつけた事ではなくて「とわ子に離婚を選ばせた事」を恥じ入るべきでは?と思ったのだ。

そして第四話。
モラハラホモソマンスプ男ととわ子が会話を交わすシーンで
「僕にとって3回の離婚は勲章だけど、貴女にとっては傷でしょう?」と、無茶苦茶な理論を展開した時に、とわ子は
「傷では無い」と言い切ったのだ。

挑戦した事が賞賛に値する事であり、失敗したら次々に進んでいけるとわ子が好きだ。だから、「傷」呼ばわりした鹿太郎に対して違和感を持っていた。
だけど、とわ子はちゃんと自分でそれを跳ね除けてくれた。
すごく、すごく嬉しかった。

幸せは自分で決めるものだ。
「あはは」と笑わずに、ちゃんと返したのだ。それって誰にでも出来る事じゃ無いよ。かっこいいんだよなあ。そして、流さなかった。もしかしたら、瞬発で感じた違和感を全て回収してくれるのでは?と思ってしまった

・女性性は「女」を差し出さないと「対価」を貰えないという、会社でよくあるの歪さも書いている様に思う、飲み会とか思い出してくれ(請求書を踏み倒そうとしている件)

・四話のモラハラホモソマンスプ男を「加害者」として描いてくれている。他の日本の最近のドラマでは(名前は伏せる)、確かに「モラハラホモソマンスプ男」は「出てこない」のだが、実際にこういう人間はそれなりに存在する。
あなたの御社の会社のお偉いさんを思い出して欲しい、少なくとも弊社にはあんなオッサンがゴロゴロ居る。
「出さない」のではなく「あえて出す」事によって「この社会にはこういう加害者がいる」事を証明してくれているのだ。
彼の振る舞いはマンスプレイニングであり、ホモソーシャルどっぷりの発言だ。それは、モラルハラスメントである。なにがオトコのプライドだよ、お前のプライドをオトコ全般の話にするんじゃねえよ一人で戦う勇気もないからホモソに縋ってんだろうにと思う。どうか彼もホモソの呪いから解き放たれて欲しいと思う。次の話が楽しみです。

話がずれてしまったが、そう言った事象に疎い人間達にも伝わる様に書いてくれていることは現代日本においてはとても有難いことなんですよ。


・綿来かごめの話。
八作の片想い相手はかごめちゃん(すずめちゃんと同じ呼び方しちゃうね)な訳なんだけど、慎森にはつばささん、鹿太郎には女の俳優さん、八作には友達の元カノという人間がどうやらこれから恋の相手?或いは人生を分かち合うキーパーソンとして振り分けられたのが嬉しかった。かごめちゃんは「恋愛は邪魔」とまで言ってる。

話はズレるが、
とみに男女間においての恋愛はまじで邪魔でしかないんだよな。ちなみに同性間で告白まで至る事ってあんまりないので。

告白されたって「ありがとう」って伝えて終わりなのに、それでもう関係が終わりみたいになるのが本当に悲しい。それで何人と関係が切れたことか。あっちが気まずくなってしまうとか、そういう感じなのだが。恋愛至上主義は私にとっても邪魔なんだよ。ありがとう以外、何も返す言葉がないのでそれなら推す位にしておいて欲しい。あるいは友達としていて欲しい。

話がずれた。
そんなかごめちゃんは八作と結ばれる形ではなく、「一目惚れされた友人の元カノ」が現状充てがわれている。

「そんなこといって恋愛に持ってくのだろう?」みたいなフラグをへし折ってくれている。製作者は綿来かごめを尊重している。最高だよ。
今後、八作とかごめちゃんに何かが起こっても、きっと納得のいく形で落ち着いてくれるだろうと思う。

・とわ子は美人でもてる人間である
近所のオバチャン「相変わらずお綺麗で」
とわ子「おかげさまでー」
近所のオバチャン「「「ん?」」

という「自分では分かり切ってることなのに何故だかしらんが謙遜しなければならない」コミュケーションってめんどくさいんだよなあという書き方がされている。
とわ子は自分が美人という所に自覚がちゃんとある(第一話結婚式にて)ので、またこれも「当たり前」に切り込んでいると思ったポイントである。

・慎森は「とんがった革靴」でなく「白いスニーカー」を常用している。